2009/09/01

パリ、テキサス (1984年)





カンヌ映画祭でグランプリを獲得した作品で、ヴェンダース監督が一躍有名になった映画です。シナリオはアメリカの劇作家サム・シェパード。音楽はライ・クーダー、映画は知らなくてもこの音楽を耳にした人はいると思う。
記憶を失った一人の男トラヴィスがテキサスの砂漠をさまよい歩くところから始まります。砂漠にある店で気を失い倒れ、弟ウォルトが迎えにくるが一言も口をきかない状態。
そして、やっと初めて口にした言葉が「パリ」。弟の家で実の息子ハンターに再会するも、彼との距離はなかなかちぢまらない。でも二人は結局、トラヴィスの消えた妻ジェーンを捜しに一緒に旅にでる。彼女は義弟に毎月同じ場所から送金していた。

しかしそこに、見つけたのは「覗き部屋」で働くジェーンの姿。。。
ジェーン役のナターシャ・キンスキーが最も綺麗に撮られている映画だと思う。彼女が13歳の時に最初にに女優として映画に使ったのは、このヴェンダース監督だった。

そして最後にハンターが母ジェーンに再会するのを見届けて去って行くトラヴィス。とうとう最後まで主人公の二人は顔を会わせる事がなかった。

ライ・クーダーのギターの奏でる音色と、画家エドワード・ホッパーの絵を思い出させる、ロビー・ミュラーの映像が最高に美しい作品です。『さすらい』で代表される白黒時代とはまたちがうスケールで見応えのある作品です。

「ねたばれ」しないように詳しく書きませんでしたが、是非ともおすすめの映画です! 

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