2009/06/25

沈黙(1963年)


女性描写に優れているイングマール・ベイルマン監督の映画のなかで、『沈黙』は最も彼が油に乗っていた時の作品です。難解な事で有名だけど、「難解」だと言われたのは、ただその頃主流だった表現方法と違っていただけで、今の時代だとそれほど難解だとは言えないと思う。。。なぜなら以後60年代はフランスの「ヌーヴェル・ヴァーグ」の映画を皮切りにありとあらゆる表現方法が実験され。次から次へと映画芸術の可能性を広げていったので観衆の目も自然と肥えてきてました。
ある30代後半の女性の孤独を描いており、演じるのはイングリット・チューリン、知的且つエロチックな女性を演じたら最高です。そしてポルノグラフィー以外で女性の自慰行為を撮った最初の作品としても有名です。
窓辺に立ち外を眺めるシーン、そして綺麗な光のなかで紙切れでそっと唇を撫でたあと、ベッドに横たわります。そして彼女の手が自然にパジャマの中に降りて行き、カメラは彼女の顔の表情にズームしながらフィニッシュ。綺麗なシーンです。最近の映画ではこのような繊細なエロチズムは見る事ないですね〜。
『沈黙』がキリスト教の国でどれだけスキャンダルを起こしたか想像がつきます。自国スウエーデンでは上映禁止にもなってます。今見ると映像的にはどうってことないのですが、ただ女性の自慰行為というシーンがスキャンダルだったらしいです。でも解放的になったいまでも、あれほど印象にあるシーンには出会いませんね〜。

ただ一つだけ5、6年前、ジェーン・カンピオン監督の『イン・ザ・カット』というサスペンス映画の中で清純派女優メグ・ライアンの自慰行為が美しく素敵だったのを覚えています。サスペンスの中、彼女は恐怖と同時に深い欲望にはまって行くのですが、女性監督ならではの深層心理描写って感じがしました。


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