2009/07/23

太陽はひとりぼっち(1962年)


ミケランジェロ・アントニオーニ監督の作品で『情事』そして『夜』とならぶ初期三部作の一つです。 原題は『L'Eclisse』で「日食」という意味。そこにどういう意味があるのか本当のところはわからないけど、観ると何故かこの題名が納得させられてしまう。ある女性の、言葉には表すことのできない闇の部分を垣間みる事ができるからだろうか。。。

しょっぱなから長い間連れ立った彼と別れる話からはじまる。モニカ・ヴィッティが演じるヴィットリアという女性が主人公。株のことしか頭にない彼女の母親とは話ができない。。。彼女は内面的豊かさを求める正反対の性格なのだが、ある日株市場で働くピエーロと出会うが、全く世界観が違う二人のちぐはぐな、愛とも恋ともいえない出会いを描く。。。ピエーロ役は、あのアラン・ドロン。目が覚める美しさで、世界中のファンを魅了したのも納得する。
「物質至上主義」の世界に納得できないヴィットリアの、何かを求めて都会の街をさまよい歩く姿を撮るカメラワークが見事だ。

闇夜の中、沢山ならぶ旗竿が、風のためロープがあたり楽器のように不思議な音を響かせ、その前にたたずむ彼女は限りなく美しい。。。
この映画はモニカ・ヴィッティが最も美しい作品かもしれない。 



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