2009/06/13

トゥルヴィルの浜辺



ユジェーヌ・ブーダンはノルマンディーの港町オンフルール出身の画家、彼は海岸に海水浴を楽しむ人たちを好んで描いてます。彼の名はそれほど知られておらず。所謂、優秀な地方画家って感じがするけど、美術史上において結構大事な位置にあるアーチストかもしれない。何故なら、絵を描き始めた若き友人クロード•モネに「屋外写生」を教えたのが彼自身だったからです。
コローやミレー達はパリの郊外フォンテンブローの森にあるバルビゾン村に住み、印象派の「先駆者たち」として知られている。彼らは「屋外スケッチ」を実行していたけれど。ル•サロンのような「オフィシャルな」展覧会には、アトリエで制作された大作を出品し続け、その内容も「神話」とか、働く農民たちの「讃歌」であったりで、結局は「テーマ」を重要視し、彼らの屋外スケッチを発表する事はなかった。それに対しブーダンが描く海辺に戯れる人たちの日常の「何気ない瞬間」は、今ならばスナップ写真のようなもので、若いモネに深く影響を及ぼし、後に彼が限りなく追求した「移ろい行く瞬間」は間違いなくブーダンの教えによるものと言える。また晩年モネ自身がブーダンが彼に残した影響を熱く語っています。


ウジェヌ•ブーダン
トゥルヴィルの浜辺のウジェニー皇后(1863年)
油彩、キャンバス、34cm x 58cm
グラスゴー美術館


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