写真家バート・スターンがヴォーグ誌のため撮ったマリリン・モンローの写真集。そして彼女の最後の写真です。彼女が36才の時で、僕はこれが彼女の最も美しい写真集だと思う。
62年の6月、彼女はNYのあるホテルのスイート・ルームに予定の時刻より4時間おくれてやってきたそうです。しかしその後、彼女は3日間にわたり合計12時間に渡りポーズをとり、その間に撮られた写真の数は何と2500。驚異的な数字です。そして6週間後に彼女は世を去るのだけど。果たしてこの時点で彼女は予感してたのだろうかと気になってしまう。
その20年後にスターンが出したこの本には沢山の「ベタ焼き」ものせられていて、僕はこのベタやきを最初に見た時、その3日間にわたる彼らの作業が刻々と伝わってくるのに感激しました。そしてその中にはモンロー自身が「ダメだし」した写真もX印をつけたまま出されていて、でも「いったいどうして彼女はこれをダメとしたのだろう?」と考えてしまうものばかりです。
スターンはほとんど中判6x6カメラを使っており、それらの写真はスタジオ撮影のように照明が綺麗。でも何枚かのベタ焼きは、小型カメラを使っている。その中では彼女との距離もぐっと短くなり、彼女を跨いで手持ちで撮ったもの。
まるでアントニオーニの名画
『欲望』の中の一シーンのようです。おそらくアントニオーニはこのヴォーグ誌をみてたのかもしれない。。。
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