フランス17世紀の画家リュバン・ボージャン(Lubin Baugin)の若い頃の筆によるものです。彼の静物画はホントに数少ないですが、ルーブル美術館にある二点のうちのひとつです。彼の静物画が大好きです。テーブルにあるのはワイングラスとボトルとお皿の上にある巻き菓子(gaufrette)でごく単純な構成です。テーブルの左端の角は額縁にぶつかりテーブルクロスの前面がこの絵の面と同じなことを暗示しています。そしてそこに影を落とす銀の皿は絵から飛び出し、そこにある「巻き菓子」が我々のすぐ目の前にあるかのようです。。。
ルーブルにある彼のもう一枚の絵『チェス盤のある静物画』も有名な作品です。当時流行っていた静物画のテーマ『ヴァニテ/空虚』を描いています。カードやチェスという遊びの空しさ、花の命の儚さ、金が入ってる袋など、人生において空虚なものが殆どで、それらのオブジェの中にある赤い葡萄酒とパンは『ユーカリスト・聖体(キリスト)』の象徴です。先の『巻き菓子』よりも宗教的な作品です。
この時代にそれまでなかった『静物画』というジャンルが確立され、そして18世紀にシャルダンが描くような静物画につながっていきます。。。
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