2010/01/09

La Pie(カササギ)1869年


クロード・モネのオルセー美術館にある小品ですが、彼の初期のものなかで最も好きな作品の一つです。当時の『官展/ル・サロン』の審査員には「光の印象を追っただけ」といことで全く理解されず、落選しました。この絵の前に立つといつも感動します。眩しい光に反射してそれが七色に微妙に映ろう白い雪が美しいのと同時に、それを表現する白の絵の具のヴァリエーションが見事です。

『白い絵画』と言えば現代では60年代後半に「ミニマルアート」で有名になり、ニューヨーク近代美術館MoMAにもコレションがあるロバート・ライマン(Robert Ryman)の作品、白地の上に置かれた白い絵の具が思いうかぶけど、この作業をモネは遥か100年前に完成させている。この絵は冬を描いた「風景画」というよりも白絵の具のヴァリエーションを見せてくれる「ミニマル」で「抽象的」な作品だと思います。テーマ以前にタブロー(絵画)自体の存在を示してくれる作品です。
印象派絵画といえば『光』。特にモネの刻々と光を追う絵画は有名ですが、晩年の『睡蓮』のシリーズでは「光」よりもこの「マチエール」によるタブロー自体の存在の大事さが明快に表現されます。若きモネはこの絵で既に晩年の大作で絵画史の新境地を開く確かな一歩を踏み出している。。。


2 件のコメント:

  1. おケイ@研究室2010年1月17日 10:49

    ぱっと見た感じ、写真かと思いました。
    とてもとても綺麗な作品ですね〜〜。
    思わず心を奪われてしまいます。一つの色でも色んな色見がありますが
    白でこんなに繊細に色が出せるなんて。。。
    このロケーションでタバコなんか吸ったら美味しいんだろうなぁ〜

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  2. >>おケイさんへ。
    そう眩しいくらいの逆光で、写真で撮った光のようです。
    冷たく乾いた空気の感触が伝わってきます。
    確かにこの冷たい空気と一緒にたばこを吸ったら気持ちいいかも。。。

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