2010/10/11

La Tempesta / 嵐

ジョルジョーネの油彩画で1507年頃に描かれ、題名は『嵐』と呼ばれています。僕の最も好きな絵の一つです。大きさは、高さ82cmに幅73cmの小さな作品。ヴェニス絵画で最も重要な作品であると同時に、これはアカデミア美術館にある沢山の絵の中で、もっとも不思議な作品かもしれません。何故ならこの絵のテーマが未だに謎なのです。
当時の文献の中で「人物がいる小さな『風景』の絵」と記述されており、西洋美術史上始めて『風景画』が認識されてます。
中央に乳飲み子を抱く裸婦がいて、その視線は我々をジッと見ています。
そして左端に川をはさんでそれを眺める青年がたってます。彼の股間の膨らみを解釈した美術史家もいますが、当時のヴェニスでは股間に型を入れて大きく膨らませるファションが流行っていたそうです。(笑)
遠くの空には、これからやってくる嵐の前兆のように稲妻が光っています。屋根の上には白い鳥がそれを見つめています。一体何が起こるのだろうか。。。

確かにこの絵のテーマは謎です、それまでの宗教的題材でもなく、ある神話を描いたものでもありません。これまで沢山の美術史家がその『意味』を探そうとしていろんな見解が残ってますが、未だにこれだといった解釈は出ておらず、まるで砂をつかむようなものです。絵画芸術の神秘です。

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